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Jose James @ Billboard Live Tokyo (Feb. 22, 2018, 2nd)

2018.02.24 Saturday | by garahebi

よく考えると同じアーティストのショーを1日2回ではなく2日で2回行くというのはAdrian YoungeVenice Dawnを率いて行ったCotton Club公演以来だ。
前夜は自由席正面寄りから観ていたのだが、最終日のセカンドステージとなるこの回は、音友達のお誘いもありカジュアル席から。

入場のスタイルは前日と同じ。衣装は水色をベースに、赤の差し色が入った様なポンチョの様な上着。
衣装だけでなく、全体的にMCも控えめだったか。開始前のメンバー紹介でも黒田さんをfuture legendとは呼ばず、ネイトもグラミー云々のフレーズなしで紹介。

結論から言えば、この回のステージは前日に観た遊びの部分が削ぎ落とされた、しかし密度は濃く、質の追求にこだわったかの様なものとなった。セットリストは大まかな枠としてはさほど大きく変わっていないのだけど、その構成や感触は全く異なるものに仕上がっており、José Jamesというアーティストの本気モードが垣間見られた東京でのファイナルにふさわしいものとなった。

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この回のステージでは一曲目から前夜とは構成を変えてきた。

アルバムの表題曲である1. The Dreamerから始まった。
前夜の様な別曲に加えるスパイス的な扱いではなく、あくまで独立した曲としてしっかりと聞かせてくれたのは嬉しい限り。
とはいえアルバム版ほどの長さは感じさせない締まった構成で、おそらく5分前後にまとめてあったと思う。


次は前夜の一曲目だった2. Velvet

この曲でも昨晩とは違い、アルバム版に近いピアノとドラムスから始まる構成でスタート。

黒田さんのトランペットのソロもあったがそちらは中盤に配されたものだけだった。
なお、ホゼの曲後のMCによって、この曲のインスピレーション元がJohn ColtraneMeditationsに収録されたCompassionであることが明かされた。

3. Blackeyedsusan
この場にいるレディースたちに捧ぐ、というMCと美しい歌声を中心としたスタイルはそのままに、ここでもやや趣を変えてきていた。中盤での昨日よりもメロウ度合いの上がった大林さんのソロがまず絶品だったのだけど、それに触発されたのか、ホゼが緩めにErykah BaduGone Baby, Don’t Be Longを口ずさみ始めた。さらに終盤にはリズムをキープするNateの演奏に合わせつつ例の口ターンテーブリスト・パフォーマンスで、Marvin GayeDistant Loverまで放り込んだ。この2曲を放り込むのは前夜のステージではなかった展開だったが、それでも相変わらず柔軟な対応力で演奏をキープし続けるネイトはさすが。Distant Loverは実際のところ、全曲をうたうのではなく、歌いだしのところだけを抜き出してループさせるという、まさに声ネタとしてサンプリングして使うのと同様の、まさに90年代以降のDJ/Producer的な感覚な訳だけど、それを自分で歌いながらやれてしまうのがホゼの強み。

歌いながらだんだんとテンポを落としていき、ネイトもそれに合わせてスローダウン後、しまいには叩くのをやめる。

この辺はもう次にやることが分かっていてのことだと思う。

ホゼもdistant, distant, lover...loverっとゆっくりとテンポを落とし、まさにレコードを遅くするのと同様に声も低くしていく演出。まあここまで来ると次の展開はだいたい読めてきてしまうのだけど、案の定アカペラの状態からI see an old man〜と曲が切り替わって恒例のPark Bench Peopleへとなだれ込んだ。

 

4. Park Bench People
恒例の、とはいえこの日は昨晩よりもミックスする別曲がさらに(自分が分かった限り)一曲は増えていた。やはりDead PrezLet’s Get Free収録の曲、Hip-Hopだ。これで同アルバムの中盤で隣り合う3曲を取り上げたことになる。
順番は途中がやや記憶あやしいけどPBP→Hip-Hop→Behind Enemy Lines→Hip-Hop→Police State→PBPに戻る、という順だったか。途中でやはりこの曲での激しい曲の入れ替わりにリズムを合わせるためにバンドの演奏を牽引していたNate Smithのドラムスと、ホゼの口DJingのセッションが繰り広げられたのだが、これがまた強烈なものだった。
この曲では基本的に舞台脇に設置されたテーブル席に待機していた黒田さんが終盤スッと立ち上がってステージ中央に向かって歩き出し、バンドの演奏に加わりしばらくしたところで終わった。

5. Desire
前曲の終盤に舞台中央寄りの、トランペット用にやや低いセッティングとなっているスタンドマイク近くに陣取った黒田さんのトランペットでのイントロから始まったのだけど、そのイントロの始まる前にその低いマイクに顔を近づけてトランペット風の音でのスキャットを聞かせて笑わせにかかるホゼ。これは黒田さんもやりにくい!
なんとか笑いを抑え込んでから始まって演奏ではもちろん真面目に進行。この辺のコントロールはさすがプロ。

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実のところ、このステージでは笑いを取りに行く様な言動が見られたのはこの場面だけだった、というのが昨晩との一番の違いだった。また、MCも必要最低限のものだけ。さらに言えば、昨晩何度も引用されたThe Temptations/Al GreenのCan’t Get Next To Youに至っては一フレーズたりとも歌われることもなく、MCでこの曲への言及も無かった。それに従ってBen Williamsが歌わされる場面も無かったわけだ。
曲の終了後、本編を締めるMCでのバンドメンバー紹介でホゼが「歌わなかったBen Williams!」という様なことを言っていたのは前夜のことを踏まえての発言だろう。
また、ネイトのソロを撮影する様なシーンも皆無。そもそもスマホは持ち込んでなかった。(譜面用かメモ参照用かiPadは持ち込んでいたのだけど)
と、徹底して無駄を削ぎ落としてパフォーマンスに集中した様に思われるほど、本編の密度が高いステージだった。おそらくこれまでの三回のステージで東京のお客さんのリアクションを探り、最後のこの回に現時点で東京で見せるべき完成形としてのステージを見せたかったのではないだろうか。

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MC後に一度引っ込んでからのアンコールでは6. Equinoxで終わるという流れは前夜と同じ。ただ、この曲では特に黒田さんのソロが見事で、かなり激しく熱く吹いていた。今年僕が観た2ステージの中ではここでのソロが彼のベストパフォーマンスだったと思う。また、大林さんについても触れておくと、失礼を承知でいえば昨年までのホゼのバンドのメンバーとしての演奏はどこか遠慮がちという感があり、「Kris Bowersの穴を埋める」(これだけでもすごいことなのだが)という役割以上ではなかった様に思えたのだけど、今回は実にリラックスしてやっていたように思えたし、格段に馴染んでいたように見えた、聞こえたのが大きな違い。自身のプロジェクトでも一緒になることが多いNateとのコンビネーションはもともと良かったのだけど、今年のここでのパフォーマンスは完全にホゼのバンドのT-Cashさんとしての立ち位置が確立できていたように思われた。

 

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<終演後>
終演後のミート&グリートの機会にまたホゼと少し話ができたのだけど、目の前の日本人が昨晩と続けて2度来たのをすぐに思い出したらしく、自分の方から「どう、昨日と違ったでしょ?」と話しかけてきた。それはそれは絵にかいたようなドヤァな笑顔であった。

以下、会話の雰囲気をそのままに書き連ねる。


自分「すごかった。確かに違っていたね。すごくタイトで、密度の濃いパフォーマンスだった」

ホゼ「ありがとう!」

自「もちろんまた次の来日公演も観に来るよ!」

ホゼ「そりゃありがとう。ぜひ来てよ!また日本に来るからさ、Novemberだね

自「え、ええええ今年の?

ホゼ「イェス」

自「えーあー、つまり今年の11月にまた日本でショーがあるの?」

ホゼ「イェッス!!」

自「わー、そりゃ嬉しいこと聞いちゃった。本当にありがとう」

ホゼ「フフフフ…」(例のニヤリとした笑顔で)


もちろん、この時点で公式の発表はまったく何もされてない。

というか終演直後に次の公演の予定を教えてくれちゃうのか…

でもそういえば昨年の公演後はそこで披露した新曲3曲の名前をフルで全部教えてくれたなー。

ありがたいことだわ…

(下の写真は左が前夜のもの。右がこの日のものだけど名前伝え忘れたらこんなことに。

余白にアルバムのタイトルを本人が書き込むという、ある意味レアなものに…)


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<後日談>

このことを裏付けるところまではいかないかもしれないけれど、その数日後、José JamesはBill Withersのトリビュート盤をリリースする予定であることを発表した。

Blue Note x Bill Withers. “Lean on Me” LP Sept 2018. 🖤

JOSÉ RICK JAMES 🌼✌🏽さん(@josejamesmusic)がシェアした投稿 -


そう、今回のNYと東京、大阪のみで行われたThe Dreamer the 10th Anniversary Tourは嬉しかったのだけど、その前後に予定されていたBill Withersのトリビュートツアーは日本でやらないの?と疑問に思っていたのだけど、これで少し希望が持てる気がする。もちろんまだ次の日本公演があること自体が公式発表はされていないし、それがどのような内容になるかもヒントすら出ていないのだけど、楽しみに待つことにしよう。


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2020.05.26 Tuesday | by スポンサードリンク

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