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ビルボードライブ東京での最悪の思い出。

2012.04.08 Sunday | by garahebi
基本的にはビルボードライブ東京はいい思い出の方が多い。好きなアーティストを間近で見られる、パフォーマンスを体感できるという意味では素晴らしい経験を沢山させていただいている。これからもちょいちょい行くことがあるだろう。

ただ規模を考えた時に、いい席(定義はいろいろだが)を占めるギョーカイの人や、いかにもよく分からず招待されましたという人の割合は、大箱に比べたらどうしても大きくなるし、いろいろと言いたくなることも多い。それでもそういう場所なのだ、と自分に言い聞かせることで自分の中で普段はなんとか折り合いをつけることが出来てきている。

ただ、昨年目の当たりにしたSWVのグループとしての十数年ぶりの記念すべき日本での再結成ライブでの、エイベックス関連アーティストの卑劣な売名行為に関しては絶対に許せない。
一年以上経ってようやく頭が冷えてきたので書き残しておく。
はらわたは煮えくり返ったままなのだが…。

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昨年一月に行われたSWVの来日公演は、自分にとっては初めて彼女たちのライブを体験できる最高の体験となるはずだったのだが、一部の客(客とすら呼びたくはない)のせいで最悪の思い出となった。

まずはIt's All About Uの曲前で、「英語が分かる男性でステージに上がってくれる人いる?」の呼びかけをまったく理解せずにステージに上がった男性がいた。ステージ上でもまったくコミュニケーションができていなかった。いかにも英語に弱い国、日本の観客らしい見事に間の抜けた行為だったが、まだ害は少ない方。

本当に問題だったのはステージの終盤での出来事だった。

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アンコール前のCokoの「一緒に歌ってくれる人は手を挙げてね!二人ぐらいまでね」
の呼び掛けに、熱烈なファンと思われる二人の女性が挙手。この二人に決まった。
ところがそれにも関わらず、私の近くのテーブルにいた、
当日の客層と比べるとかなり若い女の子4人組が、引率役らしい白髪混じりの男性の
「行ってこい、行ってこい」の指示に従い後から手を挙げながらステージに近づいた。

SWVのメンバーもやや苦笑気味ながらも「まあいいわ」という感じで受け入れた。
もう彼女たちもベテランだし、この手のことにも慣れているのだろう。器がでかい。

最初に名乗り出た一般女性の二人がWeakのサビの部分などを見事に歌ってアピールした。
続いて、その後からステージに上った女の子たちは、なぜかWeakではなく
日本でもウーピー・ゴールドバーグ主演作品でおなじみの曲(Joyful Joyfulか
Oh Happy Dayだったか)を、若干たどたどしいものの、マイクを囲んで
それなりにグループらしく披露した。
戸惑いながらも、TajだったかCokoだったか、気を利かせたSWVのメンバーに
「あなたたち、グループなのね?名前とかあるの?」と尋ねられ、
一人がグループ名を告げた。ブライトとかいう名前があるようだ。

個人的にはそれまで聞いたこともない名前だったので、高校や大学のサークルとかで小じんまりとやってる子たちかとこの時は思った。
まあ、ここまではSWVファンの観客も、ずっと若い世代でSWVから何かを学んで育とうとしているグループがいるなんていいじゃない、という親が子供を見守るような優しい雰囲気だったが、続いてのCokoの「Weakも一緒に歌ってくれるのよね?」の問いに対する答えを聞いて、場の空気が一気にサーッと醒めていったのが感じ取れた。

「いえ、知らないので…」
(ここで客席側のちょっとはなれたところからは「えっ」という声も聞かれた。そりゃそうだろう)

結局彼女たちはWeakを歌うSWVの後ろで終始右に左に揺れ動くだけだった。
もちろんファンの二人の女性はちゃんとコーラスのタイミングで口ずさんでいるのが見てとれた。
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それにしてもふざけすぎだ。

第一に、ここではSWVが好意でWeakを一緒に歌ってくれる人をステージに上げてくれている場である。ファンで、歌詞を見ずに歌えるほど覚えていて、かつある程度歌える人だけがふさわしい。その点では最初のお二人は素晴らしかった。歌も正直なところこのグループよりうまかった。
第二に、ファンが一番楽しみにしてた曲であり、最大のヒット曲であるWeakを知らない、というのは論外。たとえSWVを全く知らない人でも誰かの付き添いで来るなら一番ヒットした曲ぐらいは聞いておくだろう。

後からばかばかしいと思いつつも検索したところ、(売名行為の第一段階成功ですね)
彼女たちはなんと、あの国内最大手のレコード会社、エイベックス所属アーティストだった。

思わず、え、プロ?と驚いた。
プロ意識のかけらもないじゃないか。

どうやらゴスペルがルーツである、という売りのようだが、あの時の歌唱は聞いたことがある曲をなぞってみました、程度のものだった。宗教の教義などは無視して歌だけをやってる、「ゴスペル教室」的ななんちゃってな感じだろうか。
さて、実力はどうあれプロとして、しかもグループで歌っているのだから、事務所等の大人たちから資料や音源を渡してもらって彼女たちの楽曲をあらかじめ聞いておいて、ステージングなどを学ぶように言われていてしかるべきだろう。が、それもないのだ。

これは稚拙で悪質な売名行為以外の何物でもない。

よく聞く黒いうわさも話半分かと思っていたが、やはり噂が出るだけはある。
エイベックスとはそういう会社なのだな、と認識した。

ゴスペルをルーツに持つSWVの観客の層に名前を売ろうとしたようだが、あまりにも浅はかで、アーティストに対して失礼極まりない。これは他のアーティストのコンサートで代表曲の披露前にステージに乱入してぶん殴り、マイクを奪って自分の曲を歌うのと同じことだろう。

ちなみにこの時に同会場にいたと思われる、彼女らと面識のあるらしい、とある女性ライターさんはこの日の出来事に関して、ブログでも盛り上がってましたと記すのみ。あれを盛り上げたことにしてしまうのがプロの仕事か、なるほど。各方面への気配り、大変なんですね。
個人的に好きでも嫌いでもないライターさんだったし、ブログもたまに見ることがあっただけに
残念な瞬間だった。この人の書く文章はもうあまり信用できない気がする。

さて、ここで連想したのは日本代表のバレーボール中継の惨状。

中継では試合前などにジャニーズのこれから売り出そうというレベルの知名度の子供たちがカラオケに合わせてコートの中で踊る。あのコートを目指して何人の選手が汗を流しているのかなど気にしてもいないかのように。競技、競技者へのリスペクトがない。それを許可するバレーの協会側も同罪。
テニスでいえばウィンブルドンのセンターコートで試合前に地元の無名のボーイズバンドが入って客が誰も知らない曲を口パクで踊って芝生をグリグリやるみたいなもんでしょ。
暴動がおきて殺されても文句は言えない。

この件はそれと同じレベルのこと。会社の人間も彼女たちもプロのステージに対する敬意と意識が欠落していたというほか無い。日本の穏やかな客層だったから何も無かったが、あの行為に対しては個人的には手もとにあるものはすべて投げつけたくなった。

ちなみに戻ってきた彼女たちに同席の男性がかけた言葉は「よくやった!」だった。あの行為を目の当たりにした後では、安っぽい映画のテロリストの親玉が実行犯にかける言葉と同じようにしか聞こえなかった。

日本のエンターテインメント界の内側の人たち、頭大丈夫ですか?

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この件についてはお客さんが少なめだったファーストステージで起こったことで、そのことについて語っている記事やブログなどが見つからないまま一年が経ったので「無かったこと」にしてはいけないだろうと思い記録として残すことにした。
本当は誰かの足を引っ張るようなことはしたくない気持ちはあるのだが、好きなアーティストのライブでの思い出を踏みにじられた側としては黙ったままでもいられなかった。
そしてこれを書かないままでは怒りのやりどころが無いままだったので、その後に行った素晴らしいライブの感想なども手が付かないままだったので…。

*なお、このエントリに関しては冷やかし、煽り目的でのコメントや、あの場にいなかった人による根拠や説得力に欠ける、感情だけで書きなぐったコメントなどはミュートさせていただくことにします。

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2017.10.24 Tuesday | by スポンサードリンク

Comment
とても良い文章でした。
  • 名無し
  • 2012/04/09 1:08 PM
はじめまして。
BRIGHTのファンで、たまたまココにたどり着きました。

彼女たちがビルボードでのライブに飛び入り参加したことは知っていましたが、こういう事があったんですね…。
正直、ショックです。
てっきり、「尊敬しているアーティストのライブに行ったら、飛び入り参加させてもらえた」という事なのだと思っていました。
時間がかかっても良いから、そういう事はしてほしくないものです。
ファンとしては本人たちを擁護したくなってしまうし、周りのスタッフを責めたくなります…。
長文失礼しましたm(__)m
  • BRIGHTファン
  • 2012/04/09 9:24 PM
>BRIGHTファンさん 
はじめまして。
コメントいただきありがとうございます。

そうですね、今回の件に関してはもちろん彼女たち自身をやり玉にあげるつもりはなく、どちらかといえばやはり彼女たちを導くべき立場にある大人たちの側にある問題、責任について指摘しておきたかったんです。
ファンの方からすれば辛いはずの内容を読んでいただいた上に、そこの部分までご理解いただいたことに感謝しております。

改めてありがとうございました。
  • garahebi
  • 2012/04/10 9:54 AM
>名無しさん 
ありがとうございます。
  • garahebi
  • 2012/04/10 9:56 AM
BRIGHTのファンでtwitterから来ました。
リアルタイムSWV世代でもありますし、当然『Weak』は90年代R&B屈指の名曲だと思ってます。
それがこんなことがあってたとは・・・
SWV本人並びにファンの皆様には申し訳ないことをしてしまったと思いますし、もし私自身がその場に居たとしたら、当然激怒していたと思います。
ただBRIGHT自身は若いながら頑張ってるグループですし、これまでEternalやEn Vogueの曲もカバーしたこともあるグループです。
今後も是非リスペクトの気持ちを忘れずに活動してくれたらな・・とファンとしては思わずに居られません。
記事、ありがとうございました。
  • ぶる〜
  • 2012/04/16 12:40 AM
>ぶる〜さん
コメントありがとうございます。

実際、今の日本ではTVに出るのは似たようなことやってるアイドルグループばかりなので、私も本当は志ある歌えるグループに出てきて欲しい気持ちはあるんです。
もし浅はかな大人がそれを阻害しているようであれば悲しいですよね。
読んでいただきありがとうございました。
  • garahebi
  • 2012/04/20 9:23 PM
さすがはエイベックスですね。日本大好きですが、この件に関しては日本なんてこんなもんですと言わざるえません。大したもん作ってないだけのことはありますよね所詮エイベックスですもんね。ほんと許されざる行為をしてくれたと思います。バカもいいとこです。記事にしていただかなければ死ぬまで知らないとこでしたありがとうございました。
  • よし
  • 2012/11/08 12:26 AM
>よしさん
コメントありがとうございました。
あの会社にまつわる噂はいろいろありすぎてどれが本当やら分かりませんけど、自分が目撃した例として記録として書いてみました。
もちろん傘下からいい作品が出ていることもあるのでしょうけど、こういうことがあるとどうしても悪い印象でブランド全体を見てしまいがちになりますよね…
  • garahebi
  • 2012/11/29 2:24 PM
これはひどい、
本当に来ないでくれって気分になりますね・・・。
音楽の仕事に従事してますが、エイベ○○○は正直日本音楽業界の癌ですね。
記事に出来るほどの悪態をつけますがやめときます(笑)
  • 通りすがり人
  • 2013/02/10 11:37 AM
>通りすがり人 さん
コメントいただきありがとうございました。
そうですね、コンサートはいい気分で帰りたいので、こういったことは二度と起こらないで欲しいです…
きっと大変な業界なのでしょうけどお仕事もがんばってください^^;
  • garahebi
  • 2013/02/19 1:19 AM
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