DJ PREMIER vs PETE ROCK - A Legendary DJ Battle Round 1

2010.08.03 Tuesday | by garahebi
<Side - A>
3.6/5.0 [映像: 5.0、音声: 4.0、字幕/Subs: 0.2]

[1. LIVE]

Manhattan Recordsの30周年(祝!)記念イベントとして恵比寿リキッドルームで開催された、DJ PremierPete Rockによる豪華競演の模様を収録した映像作品。ゴールデンウィーク直前ってのもあって行けなかった自分としてはその場の雰囲気などが少しでも嗅ぎ取れれば、と思っていたところだったので渡りに船。

内容としてはJames Brown、モータウン、ブレイクビーツ(プリモ先生の講座付き)、そして80, 90年代のヒップホップの定番曲のプレイを経て、プロデューサーとしてDJ PremierPete Rockそれぞれの手がけた曲をぶつけ合う、という構成となっており、一曲ずつ交互にかけていくスタイルだ。途中で曲に関連した既にこの世にいないアーティストたち、JBMJMalcolm McLarenらには"Rest in peace"と必ず添えられるあたりが、さすが先人へのリスペクトの念あってのヒップホップのDJといったところだろう。
実際にヒップホップミュージックにおける歴史の教科書的選曲なので、手堅いといえば手堅いし、若い世代的にはこの曲ぐらいは押さえておこう、的お手本となるものばかり。90'sあたりから二人の音楽をリアルタイムで吸収してきた世代としては、楽しむとすればやはり二人のプレイそのものとなる。
個人的には冒頭のJBコーナーで、Premierが自分でもよくサンプリングしているFunky Presidentからスタートして、これまた定番ブレイクビーツであるFunky Drummerで、いずれもガシガシ二枚使いしながら締めるのが見られるだけでも、相当満足度は高い。単純に、今までyoutubeとかがほとんどで、これだけしっかりした映像で彼のプレイっぷりを見たことがなかったというのもあるんだけれど。

カメラワークに関しては、恐らくDJをしている、あるいは目指している人にとっては願ってもないものとなっていて、カットする際の手元の動きや次の曲を仕込んでいる時の様子などをほぼ余すことなく捉えていて、ほとんどぶっつけ…のように見える、のにしっかりと曲を切り替えてお互いに繋いでいく二人のコンビネーションの妙もバッチリ確認できる。その点で特にグッと来たのは、ショーの終盤にRoyce Da 5'9"Boomのサンプリングネタからの繋ぎをする際の出だしに、珍しくPremierが時間がかかっていると見るや、即座にPeteがマイクで観客を煽って時間を稼いだところだろうか。なんかこういうのいいよねぇ。あとは80's hip hopセクションでのGrandmaster Flash & The Furious FiveThe Messageへの入るタイミングを二人で合わせるところとかカッコよすぎる。

「バトル」と銘打ってはあるものの、二人が醸し出しているのはヒップホップ、音楽への愛情とお互いへの敬意と信頼だけ。そのせいか思いのほか早い段階で自分ではなく相手の曲を披露する展開も。まあ、実際のところ、この組み合わせで今回だけじゃなく何年か前からいろんなところで一緒にやったりしているらしいんで、お互いのやり方が分かっているんだろうけど、それを踏まえたうえでも楽しすぎる。

このショーの模様を収めたDVDの第一部に関しては、観客のリアクションをほとんどマイクが拾っていないこと以外は文句なし。
youtubeなどでオーディエンスショットの動画を見ると観客側の音声も拾っていて、このイベントが決して盛り上がっていなかったわけでもないので、ここらへんの処置はちょっとよく分からない。普通のライブものとはどうやら違うコンセプトなのか。音声も5.1chでの再生を前提としたモードを選択できるメニューが用意されていなかったりしていて、場の雰囲気の疑似体験みたいなことが出来る作りではないけど、あの時何があったのかを余すことなく記録したものとはなっている。

それにしても、これだけ二人の煽りが続いて熱い曲ばかりで2時間…?もし当日行けていたとしても多分オレは最後までは持たなかったかも…(笑)

後述する手抜き字幕に関しては、メニュー画面からOFFにすればいい話だ。字幕がなくても困るようなことは基本的に二人とも言っていないし、曲間の煽り文句も日本人客のレベルに合わせてか^^;シンプルなものばかりなので、基本的には二回目以降の視聴には字幕OFFをお奨めする。

なお、同梱のCD二枚は、DVDに収録されたバトルの模様の音声部分を収めたもので、やはり観客の声は相当押さえ込まれているので、ライブ感はさほど高くない。それでもDVDとほとんど変わらないバランスになっているため、DVDが素直に楽しめる人にはカジュアルな感覚で楽しめるものとなっている。映像はもういいかな、と思い始めたぐらいになってもそれなりに楽しめると思うので、こちらの配慮に関しては素晴らしかったと思う。

[2. PETE ROCK & DJ PREMIER EXCLUSIVE INTERVIEW]


第二部のインタビューに関しては、時差ボケが解消できていないのかPeteが終始眠そうなのはご愛嬌として、個人的には知りたかったポイントを抑えた話ばかりで、目から鱗という表現がぴったり。二人の関わった名曲の製作秘話の数々が聞けることを考えるとこの部分だけでも十分お金を払いたくなるぐらいだ。
特にBiggieUnbelievableR. Kelly Your Body's Callin'からの声ネタの使用がどういう経緯で成されたのか、というのは当時から気になっていたことなので真相を知ることが出来てよかったし、この二人が揃った場でNasIllmatic製作当時の話や、現在でも二人がNasが自分たちを起用することを熱望していることが聞けたのもうれしかった。(そしてつい先日、Nasは新作でDJ Premierの起用を発表)
あとA Tribe Called Quest(We've Got) Jazzの件でのPeteQ-Tipに対する決して良好とはいえない思いが垣間見えたところはちょっとこっちも切なくなった。Peteの言い方はものすごく大人と言えるが…

とにかく非常に資料的にも貴重な内容となっている。
だからこそ、このインタビューの箇所も頑張ってほしかったねぇ、字幕…これはまた第一部と同じ人がやってるんだけど。そんなわけで、コンテンツの素晴らしさに水をさすどころか泥水をぶっ掛けてしまっている字幕については改めて。↓
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レビュー: 映画 『スーパーフライ』 (原題"Super Fly")

2009.06.11 Thursday | by garahebi
評価:
フィリップ・フィンティ
ワーナー・ホーム・ビデオ
(2008-10-08)

4.4/5.0

以前ご紹介した『ブラック・シーザー』よりは映画も観ている人が多そうな作品。
Curtis Mayfield
によるサントラが本当に有名ですが、映画本編もムードたっぷり。

観たことがある人同士なら「スーパーフライのバスタブのシーン」といえばすぐに通じる、やたらとセクシーなラブシーンも印象に残る見所の一つですが、やっぱり音楽のハマり具合が素晴らしいですよね。上記ラブシーンで流れるGive Me Your Loveもそうですが、冒頭10分で始まるチェイスシーンの盛り上げもスリリングだし、ナイトクラブでカーティス本人が登場して歌うPushermanもカッコいい。(ちなみにノーギャラだったそうです。)

唯一の残念なところは主人公プリーストが空手着らしきものを着て空手を…習って…いるシーン…
って、それは空手じゃねぇ…。

エンドロールを見ても「空手の指導者役」はいるけど本当に指導している人はいない。あのふにゃふにゃした構えって空手には全然見えないし、酔拳とか蛇拳とかの類。なんかもう、萎え萎えです。

まあ、そうはいってもそりゃぁ些細なことで、やっぱり大きな見どころは、やり過ぎなぐらいぶっ飛んだプリーストの「スーパーフライなコスチューム」。長すぎるコートやデカ過ぎる襟、とまあ…そりゃ目立ちすぎだろ。これじゃ捕まえてくれといわんばかりじゃないか。w
そこはまあ、エンターテインメントってことで。実際にこの映画の後、全米の野郎どもがこの手のファッションに憧れたらしいですし。SnoopあたりもPVなどでこの辺を意識した衣装を着ることも多いですよね。

今この映画を見るとどうしても意識せざるを得ない、ずっと後年のノンフィクション(?)映画American Gangsterの、元ネタの一つとなった記事のタイトルが、"The Return of Superfly"であるのも、この映画の長年にわたる影響力の大きさを物語っています。記事の冒頭でFrank Lucasの当時を様子を表現するのに「セーブルのコートを羽織り、スーパーフライ気取りで闊歩していた」という表現も使われていますしね。

キャラクターとしてのプリーストですが、常に相手の裏をかくような判断のよさを見せる彼が、女性と二人きりのときに自分自身の将来や感情について訊かれた時だけ困ったように"I don't know."と答えます。どこか不器用な部分が垣間見えるようで結構好きですね。

ちなみに後年のドキュメンタリーなどが特典で見られますが"Super Fly”という言葉に一般的な「超カッコいい」に絡めて「てっぺんのさらに上を行く」というような解釈も出てきて非常に興味深いです。ネタバレになる内容なので具体的な話はしないでおきますけど、ここらへんが細部では全然違うはずのAmerican Gangsterと通じる部分かもしれないなあと思いました。両方を見比べてみるのも面白いですよ。

一本の映画としてもちゃんと楽しめるので、サントラでしか体験していない人にもオススメ。レンタルだと特典映像が貧相なので買っちまった方がいいと思います。今なら安いしね。^^;




レビュー: プリンス / グラフィティ・ブリッジ

2009.05.30 Saturday | by garahebi
評価:
プリンス
ワーナー・ホーム・ビデオ
¥ 1,349
(2007-12-07)
コメント:踏み絵。

1.6/5.0

自分はPrinceの大ファンだけど…ダメだこりゃ。
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<いい所>
サントラの曲がほぼ満遍なく入ってる。

ザ・タイムの相変わらずの芸達者ぶり。
動くジャム&ルイスが見られる。
ビッグママ的な役柄のメイヴィス・ステイプルズの見せ場が後半にとってある。
テヴィン・キャンベルのニュージャックスイングスタイルのダンスと
ややゴスペル入った歌が素晴らしい。

サントラであらかじめ聴いていて浮いてると思っていたLove Machine
役割が『パープルレイン』でのアポロニア6Sex Shooterなんだな、とわかった。

特典映像でヌード・ツアーでのThe Question of Uのパフォーマンスが見られる。

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<悪いところ>*ネタバレ含みます

ストーリーは『パープルレイン』の続編という位置づけながらも実際のところは
自伝的な内容から外れてしまったためにリアリティのかけらもなし。
スタジオ収録がほとんどで舞台は架空の街。ダークなセサミストリート的な、
あるいはゴッサムシティの一角みたいな。

シナリオ、ダンス、そして一部の楽曲がPrinceのものというよりPrinceが何かを
あるいは誰かをなぞろうとしている感じのものばかりで観る方はのめりこめない。

群舞の振り付けは『天使にラブソングを2』などを手がける人がやってますが
The Time
Prince周辺のは各自が自力でやってるはず。
前者は前作同様安心して見られるけど、後者は…Thieves In The Templeなんて
わざわざダンスブレイク用にリミックスしたものを使ってるんだけどちっとも面白くない。
高いヒールを履いているというハンデもあるなかよく踊れるなーという感心はするけど。
この時期がちょうどボビーやらハマーやらでみんなダンスづいていたけど
それと比べたらいけないのかな。でも明らかにそこら辺意識してるもんなー。

タイトルにもなってる肝心の橋がハリボテ丸出し。
素材が悪くてつるつる滑りそうになるところもカットせず。その橋がある場所が
志村けんのバカ殿に出てくるようなチャチなセット。(川がバスクリンなら完璧)
このレベルで映画館で上映して金を取るのは失礼なんじゃない?

ヒロイン「オーラ」さんは正直かわいいと思えないけど、
それよりもまず額のしわが終始気になってしょうがない。
彼女がやけに人工物っぽい白い羽を持っていて、そこからキッドの夢想する「天使」を
連想させようというアイディアはものすごく陳腐。
そしてしつこく挿入される彼女のモノローグ。ミステリアスな存在にしようという演出が
続くものの、最終的には特別な力を持っているわけでもないことがわかるという…
橋と同じくこけおどしだったってこと。舞台とヒロインの扱いが適当ってある意味画期的?

最大の売りでもある音楽ですが、物語の筋書きは、負け続けるキッドが最後に…という
流れなので常にモーリス側の曲が輝き、キッドの曲は冴えない、という演出になっているけど、
音楽としてもステージングにしてもそこまでキッドの曲も悪くなかったりする。(笑)
冒頭のNew Power Generationも勢いはあるしThe Question Of Uも好きだ。
そんなわけで逆に筋書きがどんどんうそ臭くなる。
衣装の気合の入り方からしてもかなり充実しているElephants & Flowers
パフォーマンスのとき、お客さんがキッドの店からどんどん出て行くんだけど、
それが無理矢理くさくなっている。なにやら殿下の溢れる音楽の才能が仇となる結果に。

そして前作で言えばパープルレインの役割をになうはずの最後の勝負曲が
Still Would Stand All Time。愛やら天国やらを謳う大仰なスピリチュアル路線のバラッド。
それも自分をキリストになぞらえるような神々しさを前面に押し出すようなパフォーマンスと
ライティングでやっちゃうもんだから偽善臭さプンプンの、観る側がおいてけぼりになる演出。
クライマックスなのにサーっと醒めます。引きます。
まあ、スピリチュアルな歌が勝つ、という結果にしたいのはよく分かるんだけどね。
余計な枝葉が多いんですよ。
しかもそれを受けた結末は小学生の喧嘩の後のような仲直り…。そりゃねえよ。

ラップを取り入れたThe Timeがウケて、キッドのバンドのメンバーの一人が
俺にラップさせろよ、と言っていたのが伏線でもなんでもないという…
「まさかバラッドで勝つなんてな」
…この最後のバンドのメンバーの台詞は笑うところだったのかな?
-----------------------------------------------------------------------------------------
どんなに脚本がひどくてもネタとして笑えるところがあればいいかなと思ってたけど
そういうレベルでもない…あらかじめ売れなかった映画ということは知っていたけど
予想をさらに下回られたのが何よりの衝撃。殿下は脚本も監督もしない方がいいですな…
『アンダー・ザ・チェリームーン』を先に見ておくべきだったのかなぁ。
支離滅裂で映画としてすら成立していないはずのMJ『ムーンウォーカー』が遥かに
楽しい作品に思えてきました。

NAS / ビデオ・アンソロジー Vol.1 (The Video Anthology vol.1)

2009.04.10 Friday | by garahebi
評価:
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
(2004-08-04)

JUGEMテーマ:音楽

4.2/5.0

あんまりこの人のPVってじっくり見たことがなかったんでNasのPV集なんて地味で渋いのばっかりじゃないかと思ってたら、結構バリエーションが豊富で嬉しい誤算でした。そして音楽的に槍玉に上がりやすい2ndのIt Was WrittenよりもNastradamusの曲の方が映像としてはよっぽどやらかしてるのが面白い。

特にYou Owe MeGinuwineがエロい格好したねーちゃんたちに囲まれて張り切りすぎてるのが笑えます。音的にはTimbalandの諸作の中でもスイングの幅が大きいビートで踊りやすい作りで好きだったけど、Gさんその顔は…

ご存知の方も多いでしょうがDestiny's Childがカメオ出演してます。

DVDならでは、という意味ではなにより特典のNasによる解説が(小さい画面だけど)映像つきであるのが大きくって、その曲にまつわる秘話、エピソードを知ることが出来てよかったです。
例えば妙にカメラに向かっての前後の動きが多いと思っていたNastradamus、実は3Dビデオとして撮影したとか。だけど完成してから実際に赤青メガネかけてもぜんっぜん効果がなく監督に詰め寄ったとかマヌケすぎて笑いました。
あと誰もが気になったあの問題作、Hate Me Nowの制作する際の思惑は特に興味深く聞けました。個人的な疑問はなんでNasがわざわざフックにヘタレ声のPuff Daddyを起用したのか、でしたが本人の口から解説を聞いてすごく納得。

そっかー、「BustaがクレイジーだったB.I.G.のアルバム」を目指したのかー。
…ん?アルバム?

このDVDの字幕も、ご多分に漏れず端折ったり余計な手を加えたりした訳のせいでちょっと意味が伝わりにくくなってると思います。この曲に関して言えば、なんで"record"をわざわざ「アルバム」と余計な方に捻じ曲げて訳すのか…そのまま「レコード」でいいでしょ?
そうすれば当時の状況を知るヒップホップファンならすぐにPuff Daddy&The FamilyのシングルVictoryのことだと分かるはず。当時のNasはこの曲に挑むならカルミナブラーナのサンプリングとPuffのハイテンションな煽りが必要だと思ったんでしょうね。


教訓:
映画で戸田某大先生の字幕を鵜呑みにしてはいけないのと同様、
音楽DVDの字幕だって要注意。

あとどんな理由があろうとStreet Dreamsピンクのスーツはアウト。


1. It Ain’t Hard To Tell
2. One Love
3. Halftime
4. Nas Is Like
5. The World Is Yours
6. If I Ruled The World (Imagine That) [feat. Lauryn Hill]
7. Hate Me Now [Feat. Puff Daddy]
8. Street Dreams
9. Nastradamus
10. You Owe Me [Feat. Ginuwine]
11. Got Ur Self A...
12. One Mic
13. Made You Look
14. I Can
15. Street Dreams R. Kelly Remix

ブラック・シーザー(BLACK CAESAR) [DVD]

2009.03.28 Saturday | by garahebi
評価:
---
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
¥ 3,591
(2009-01-30)

3.9/5.0

ラリー・コーエン監督の大ヒット作。

誰一人救われない。特に主人公があまりにも孤独で見ていて辛くなる。ちなみにポスターやジャケットのドッカーンな感じの威勢のよさはそんなにないです。そこを期待しちゃダメ。

James Brownファンにはたまらない映画なんですけどね。基本的に映画の中で台詞があるところ以外はほとんどがサウンドトラックからの曲で埋められているので、ここぞというときに流れるあの曲、この曲にきゃいきゃい嬉しくなってしまいます。特にしょっぱなのDown and Out in New York Cityの"I was born in New York city〜♪"の歌いだしでいきなりやられちゃいます。

逆に、彼のファンでない人からすれば余りにも歌の内容で説明させすぎているところが格好のツッコミどころだったりして、その最たる曲がMama's Dead。はい、タイトルのまんまです。何の前触れもなくいきなりシーンが切り替わって墓が映ってこの曲が流れ、何が起こったかを端的に説明する。いやいやいや。端的なのにもほどがある。

あと目立つのがキャストのみなさんの殺されっぷりのヘタッピ感。いや、殺され慣れている人なんていないんだけど、なんともまあ「はいはい、今私殺されましたからねー」みたいな感じがちょっと萎えます。日本の時代劇の斬られ役のようなプロはいないんでしょうかね。そして血糊のいかにも作り物っぽいキレイ過ぎる赤さも今の映画を見慣れた目からは残念な感じ。(監督も後から悔やんでいるらしい)

でもそこらへんの細かいところに目をつぶれば話は落ちるべきところに落ち着くのできわめて筋の通ったプロットだと思います。一言で言えば因果応報。ブラック(ス)プロイテーションと呼ばれる作品の代表格的な評価をされることもありながらも、それらのパターンにそれほどハマってはいないという構造が深みを与えています。
終盤の、市の許可なしでゲリラ撮影したというNYの通りでの主人公Tommyが負傷したまま歩いていくシーンの、通行人たちのリアクションが全部素であることを頭に入れて観るとまた面白いと思います。そしてショッキングながら、落ち着いてから考えると腑に落ちる結末については、以前レビューで取り上げたMad SkillzFrom Where???収録Street Rulesの"The streets don't care who you are."というフレーズが頭をよぎりました。
ただこのオチが上映直前にカットされて定番パターンのオチになっていたことで映画として大ヒットしたことが音声解説で明かされるんですが、だったら上映版も入れてほしかったような。印象が真逆になりますよ。俺はカットしないこっちのオリジナルの方が好きですが。

まあ、いろいろツッコミどころも書きましたがかなりしっかりとした筋なので見終わった時の感触はずっしりしてます。音楽と映画の内容が深くリンクしている意味でも、構想の段階からよく練られているんではないでしょうか。あと何よりTommyを演じたFred Williamsonの整ったマスク、着こなしの伊達男っぷりはみものです。例えニヤニヤしている場面でもカッコいいです。

あと音声解説は俺が持ってるあまり多くない映画のDVDの中で、ですが最高の充実度でした。低予算映画の製作の裏側などは興味深いし、特にセットとして使われた監督の自宅にまつわる離婚伝説にはかなり笑わされました。

次回、この映画を見ていなくても楽しめちゃう秀逸なサントラ盤をレビュー…予定。

JUGEMテーマ:映画

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