Mayer Hawthorne @Billboard Live Tokyo (2011/11/16, 2nd)

2016.08.10 Wednesday | by garahebi
※こちらは書きかけだった過去のライブ感想文を、今頃になって仕上げてアップした蔵出し記事です。
内容も当時の気分のものですし、情報の鮮度もかなり落ちていますがご了承ください。

 

 

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2度目となったMayer Hawthorneのライブ体験。

Mayerは今年、Stones ThrowツアーのDJとして、それも震災から二、三ヶ月ほどしか経っていないうちに一度来日していたが、パフォーマーとしてバンドを率いてやってくるのは一年振り。取り巻く状況も変わった。DJとしての来日から今回の来日までの間に彼はメジャー契約を交わしてユニバーサル・ミュージックからの「新人」となっていた。そのユニバーサルからのメジャー・デビューアルバムとなった実質的なセカンドアルバム、How Do You Doではレベルアップしたソングライティングのセンスと、相変わらずのひねくれた歌詞が詰まった好盤であり、そのプロモーションも兼ねた世界ツアーの一環として再度ビルボードライブ東京のステージに登場することとなった。

前回はカジュアルで済ませていたのだけれど、見ていて楽しくて仕方がないステージングを披露する彼らの姿があまりも遠く感じたため、もし次があるのなら絶対に下の席で楽しい空気を味わってやる、と思っていた。そんなわけで、今回は思い切って一番下のサービスエリアを予約。そこまで早い整理番号では無かった割には運よく正面やや前目の席に座れた。もちろん今回はMayer他、ステージ上のメンバーの表情までよく見えた。

記録として見た目についても書いておきましょうかね。

今回のMayerは黒のスーツに例の赤のNikeのバスケットシューズといういでたちで登場。途中白いギターをちょろっと弾いたりしていたが基本的にはタンブリンがお友達、という従来どおりのスタイルだった。

メジャーデビューに伴い、アーティスト名の表記こそThe Countyは外れたけど、来日公演のメンバーとしては前回からギタリストが入れ替わったのみ。今回帯同したギタリストChristian WunderlichHow Do You Do?の中の一曲、You Called Meでギターを弾いていた人だ。彼自身がソロでも活動しており、本国ドイツや隣国のスイスなどではその名を知られている人物らしい。彼のギターは前任のTopherの様な澄んだ音ではないが、芯が一本通った、ロックバンドのギタリストのそれを思わせる味としての荒さと力強さが備わった音を出す。実際にGreen Eyed Loveなどのギターソロも堅実にこなし、余計な心配は不要であることがすぐに分かった。ただソウル色を求めて聴きに来たオーディエンスにとってはやりすぎに聞こえる可能性もあるだろうな、とは感じた。

 

さて、結論から言ってしまえば、デビュー直後でアルバム一枚しか素材がなかった前回と比べると、今回はオリジナルアルバムは2枚出た後であり、しかも客演も多くこなしていたこともあって、セットリストは非常に充実していた。(デビュー直後のアーティストが、ライブではどういった曲をレパートリーに入れてくるのかというのはそれはそれで楽しみなことではあったのだけど)

前回との一番の違いは曲と曲のつなぎまでを意識して生演奏を行っているのが伝わってきたこと。

これが非常にスリリングで、こういうDJ的なセンスはさすが元DJヘアカットさん、と改めて思わされた。

 

 

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まず1曲目のMaybe So Maybe Noでは、バンドのメンバーを先にステージに上げておいてMayerは後から「うぉううぉーおう♪」と例のイントロのところを歌いながら登場。さらに、ドラムフィルを合図に2nd verseからはweb上で発表済みだったreggae版にスイッチ。ワンコーラス(だったかな)こなしたところでまたoriginalのスタイルに戻るという芸当を披露した。DJがクロスフェーダーを操り2枚の盤に収められた音源を行き来する様を、バンド演奏で表現したようなパフォーマンスだった。

続いてこの時点で最新の客演曲、Snoop DoggGangsta Luvの、Mayer自らリミックスしたバージョン(Mayer Hawthorne G-MixとしてMore Maliceにも収録)を、自分の歌っているパートだけで構成し直したリ・エディット版で再現。The-Dreamが歌うオリジナル版より好きなので、これは非常にうれしかった。

この曲に限った話ではないのだけど、スタジオ録音版のあの独特の感触を残すコーラスは、自分の声を重ねての多重録音によるものだが、もともとアクが強い声というわけではないので、バンドの他のメンバーが代わりに声を重ねてもそこまで違和感を感じない。これは彼のライブ・パフォーマーとしての強みだろう。単体で他の音を圧倒するような声量でぎゃーぎゃー歌えればいいというわけではない。彼の声は特に曲全体の要素のうちの一つとしてバランスをとるように機能するタイプで、やはりバンド形式でのパフォーマンスの中でこそ輝く。

序盤のつかみは見事だった。その後はファーストStrange Arrangementの曲を中心にしつつも、少しずつHow Do You Doからの曲も混ぜながら進められた。上がりすぎた場の空気にちょっと落ち着きを与えるMake Her Mineを挟んでからYour Easy Lovin' Ain't Pleasin' Nothin'。この曲ではギタリストとベーシストを含めたフロントの3人でおそろいのステップを左右に踏むという振りも入っており、女性ファンはキュンキュンではないだろうか。男が見ても「かわいいじゃないかちくしょう」と思ってしまうのだから。この曲では左右の二人とのバランスを考えてか白いギターを持っていたが、本当に弾いてる瞬間があったかどうかはあまり確認できなかった。
続くHow Do You Doからのシングルのうちの1つで、どこかで見た映画のような設定のビデオが公開されたばかりのThe Walkでもバンドメンバーが揃いのステップをその場で踏みながらパフォームした。
この曲のバックコーラスのレトロな感じはかなり好きなのでついつい口ずさんでしまうのだけれど、メロが一緒なのに詞は同じものを繰り返さずに変わり続けていく、というトリッキーなコーラス部分は曲丸ごとで覚えてないと最後までsing alongし続けるのは無理ですね…次の機会までには憶える様努力してみようかな。好きな曲なので何とかなるだろう。

I Wish That It Would Rainではおなじみの振り付けが再び。これも毎度楽しい。

 

と、まあオリジナル曲も新旧もちろん良かったのだけど、今回なにより嬉しかったのは事前にスタジオでのMayer版の動画が披露されたばかりのLove In Motionと、Darryl HallのTV番組、Darryl's Houseで披露されたばかりのHall & OatesYou Make My Dreams Come Trueという、(この時点で)音源が出ていなかった2曲だった。もうどちらもイントロでそれだと分かった瞬間に鳥肌が立ち、キターッと(声は出しませんが)立ち上がってしまいましたよ。

特に前者のオリジナル版はSebastiAnの色が強すぎ、これMayer歌う意味あるのかよというぐらい声も加工されたものだったが、Mayer版はさすがにバンド演奏向けのアレンジがしてあり、ファンク色を強めたもの。まだ正規の音源が出ていなかったため、自分で動画から音声だけ抜き出してリピートするぐらい好きだった。それが今回は生で聞けたというのが本当に良かった。これを聞けただけでも観に行った甲斐があったというもの。

ライブならではのアレンジといえば、デビュー曲Just Ain’t Gonna Work Outでは、前後にSlum VillageFall In Loveのカバーを入れていた。開始前のMCでは、同じBillboard Live TokyoでMayerの公演後にElzhiの公演がスケジュールされていたことに触れ、Slum Village及びJ. Dillaへのトリビュートをやるよと宣言したのが印象的だった。あとこれは自分でこの流れを既存の音源で再現しようとミックス作った際に気が付いた事なんですが、BPMが2曲とも非常に近いんですよね。だからドラマーがリズムをキープしておいて歌とウワモノの演奏だけ変えることで非常にスムーズな移行が出来ていた。
Green Eyed Loveは前回はかなり長尺でいろんなバージョンを組み合わせた内容だったと思うが、今回は素直な進行だった。
HDYDの中ではA Long Timeはベースのきいた良曲で気に入っていた。これまた嬉しい選曲だった。まあシングルにもなっていたので予想はできていたのだけど^^;
いかにも大団円といった雰囲気を持つThe Illsで本編が終わった後、アンコールを受けての再登場では、鍵盤奏者のQuincy McCraryと2人だけでステージに戻ってきたメイヤー。確かステージ上は暗いままで二人のいるところだけ照明が入る演出だった。
そんな中、まず1曲目に披露したのはガーシュウィン作の超古典、I've Got A Crush On Youだった。これがまあ、なんというか…キツい時間だった。やはり彼は正統派すぎる歌をマイク1本だけで聞かせられるほどの喉の持ち主ではない。そんなことは前からわかっていたことだが、それを改めて痛感させられる瞬間だった。もちろん彼が好きな曲だから選んだんだろうけど、なぜこのスタイルでやっちゃったのか…などなど、頭の中を「?」が埋め尽くしていった。客観的にもう、ただのカラオケなんですわ。少し前の世代のカラオケあるあるのうちの一つ、あまりうまくない上司が歌うMy Wayに終わりまで付き合わされる社員の気分というのが分かった気がする。
この曲が終わった後は照明が普通に入り、バンドメンバーがまた全員ステージ上に戻り、One Track MindからThe Isley BrothersWork To Doで終わった。この2曲については文句なしに楽しかった。ナイス口直し。終わりよければ全てよし。

 

 

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ということで、終盤のあの1曲を除けば、選曲もアレンジも非常に素晴らしい大充実のライブだったと思う。
ステージングにおける余裕が1年前とは大違いだった。
やはり彼の頭の中はDJ仕様なのだろう。この曲とこの曲の間はこう繋ごうとかそういった設計図がまずあり、それをバンド演奏でステージ上で表現しようとしているわけだ。大枠でのジャンルこそ異なるものの、やはり彼とJose Jamesは、ライブにおける選曲と進行にはDJミックスを作るのに非常に近い感覚があるように感じられる。だからこそ彼らの場合、前の年にショーを見たとしても、そしてたとえ同じ曲が含まれていたとしても、アプローチが変わることを期待して、何度でも見たいと思ってしまうのだろう。

 

 

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-Setlist-

1. Maybe So, Maybe No
2. Gangsta Luv [G-Mix feat. Mayer Hawthorne] (Snoop Dogg)
3. Make Her Mine
4. Your Easy Lovin’ Ain’t Pleasin’ Nothin’
5. The Walk
6. Shiny & New
7. I Wish It Would Rain
8. Love In Motion (SebastiAn feat. Mayer Hawthorne)
9. No Strings
10. Dreaming
11. You Make My Dreams Come True (Hall & Oates)
12. Green Eyed Love
13. Fall In Love (Slum Village)/Just Ain’t Gonna Work Out/Fall In Love (Slum Village)
14. A Long Time
15. The Ills

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(Encore)
1. I've Got A Crush On You
2. One Track Mind
3. Work To Do (The Isley Brothers)


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