Mayer Hawthorne @Billboard Live Tokyo (2016/8/15, 2nd)

2016.08.16 Tuesday | by garahebi

Mayer Hawthorne。

ソロ名義としては2011年以来、通算3度目の来日公演となったステージを見てきました。

もちろんその間にJake Oneとのユニット、Tuxedoとしてのステージは2015年のSummer Sonicと今年1月のリキッドルームでのい公演を見てはいたのだけれど、3rdアルバムWhere Does This Door Goの時に来日しなかったので、単独ではかなり久しぶりだった。

 

開演前に楽しみにしていたのは、やはりその来日しなかった時期のリリース曲のパフォーマンスと、初期からどの曲が残っているのか、そして毎回びっくりさせられることが多いライブならではのカバーの選曲だ。

 

まずショーの開始から意表を突かれた。

バンドメンバーが登場してきた方を見ていたらもうMayerはステージに上がっていて、スツールに腰かけて酒をグラスに次ぎ始めていた。最新作Man About Townのジャケットの衣装に近い出で立ちで帽子は目深に被っていて、それがかなり様になっていた。

そういえばTuxedoのショーでも終盤にHenny & Gingeraleをステージ上で作って乾杯していた。ちゃんと延長上に位置した演出だ。

この日Billboard Live Tokyoでは特別メニューとしてそのHenny & Gingeraleを提供していた。
お酒がさほど得意ではない僕も頼んだ。あんなにうまそうに飲んでいたのだから気にならないといえばウソだ。
なるほど口当たりが柔らかく、飲みやすい。ただすぐに酔いが回る印象。
ちなみにその曲は今回やらずじまいだった…

 

メンバー全員がそれぞれの位置についた。

左から、前回とTuxedoのバンドでもメンバーだったギタリストのChristian Wunderlich、やや奥にキーボードのTyler Cash、女性ヴォーカリストのJimi James、中央はもちろんMayer、そのやや右奥にドラムセットがありQuentin Joseph、そして右端がベーシストのJoe Abrams。ドラマーとベーシストもTuxedoでもパフォーマンスを確認できたおなじみのメンバーだ。

やり方を分かっているメンバーをむやみに変える必要はないのでリズムセクションとギタリストを変えないのは正解だろう。

 

ショーは登場の仕方同様、ちょっと変則的な導入。

最新作からOut Of Pocketのイントロ部分を少し流した後、転調してBreakfast In Bedが始まった。

Tuxedoの時と大きく違うのは女性ヴォーカルだけでなく、ギタリスト、キーボーディスト、ベーシストと多くがコーラスに参加する点だろうか。そういった意味ではMayerとしての曲ではつくりからして差別化してあることが再確認できた。

そしてMan About Townからの曲を立て続けに Back Seat Lover、The Valleyとちょっと短めで続けて披露した後、Fancy Clothesではテンポを落とし、完全にレゲエモード。そういえばこの公演前に場内では延々とレゲエばかりかかっていた。イントロの間にさらりとJay-ZLuciferでループされているMax RomeoChase The Devilの一節、Lucyfier, don of the morning I'm gon chase you out of earth♪を歌っていたのも印象的。この曲はコーラス部分の厚みが好きなので今後も定着してほしい一曲。

その後、Where Does This Door GoからAllie Jonesへ。

 

Allie Jones後、MayerがMCでオーディエンスに質問を投げかける。

今夜、カップルで来てるお客さんはいる?→パラパラとした反応

→一同苦笑。

じゃ、シングルばかりなの?→すごい勢いで場内「イエーイ!」

→「オーゥ…じゃ、じゃあこれからまずカップルのみんなにささげる曲と、そのあとシングルのみんなにささげる曲をやるね」

というわけで、Designer Drugへ。

まあ、こちらはTuxedoのショーでもJake Oneがプロデュースしたこともあって欠かすことのできない曲となっていたのだけど、考えてみたらソロ名義のショーで見るのは初めてということになった。とは言えドラムセットの向かって左側に立ち、Mayerが嬉々としてシンバルを叩きまくるという演出は全く変わらず。この曲はTuxedoMayerの間を取り持つ便利な曲ということになるだろうか。今回明らかに違ったアレンジとして、終盤に少しずつテンポを落としていき、No Stringsへとスムーズに移行するようにしていた。このあたりもクロスフェーダーでの曲移行に近いことをやっていることになる。これは気持ちのいい展開だった。

…ひとりもん向けと銘打って「君とゴム無しでしたーい!」という曲をやるのはどうなの?という疑問は残っているのだけど。

 

そしてマイクにエコー聞かせまくりで披露されたのはCrime

音源の方ではKendrick Lamarを起用していて、weedについて歌った曲。

まあ、このテーマはそんなにMayerにとっては珍しいことでもなく、古くはGreen Eyed Loveという曲があった。

(詞は暗喩だけど何のことを歌っているかは分かるように出来ている)

ただ今回のこの曲のパフォーマンスをユニークなものにしていたのはその演出だろう。

まず、Dr. DreXxplosiveで繰り返されていたIssac Hayes "Bumpy's Lament"のオルガンをギターで演奏し直したフレーズを、途中からギタリストのChristianが繰り返し演奏してweedモノ感を強調していた。このDreの弾きなおし版をほぼ流用して使ったもので一番知られているのはErykah BaduBag Ladyだったりするのだけど、シングルでリリースされた際のバージョンにはCheeba Sac Mixなんて直接的な名前がついていた。このあたりまで意識してMayerがChristianに弾かせているのであれば見事な引用だと思う。

また、終盤のリフレインの合間にはMayerKRS-OneSound Of Da Policeのあのパトカーのサイレン音を表現した印象的なフレーズWoop-woop, that's the sound of da police! Woop-woop! that's the sound of da beast!を繰り返していた。(もともとCrimeでは序盤に警察を表す古いスラングの「ファイブオー」という表現を使っている)
最終的にはステージ上のメンバー全員がステージ奥に向かって両手を上げてhold upさせられたかのようなポーズをとって終わる。

これは歌詞のまんまの展開ではあるのだけど、Mayerの過去のステージを振り返っても類を見ない、かなり劇団的な演出で、この辺りはEsperanza Spaldingのここ2年ほどのEmilyとしてのステージングにも通じる感覚だろうか。

この曲で繰り返される、「誰かを傷つけるわけでもなく、ただ自分で楽しんでいるだけなのになんで違法なのさ」という主張はこのショーの少し前に見たTalib KweliのライブでのMCでも聞いたばかりなので、余計にこのパフォーマンスは印象に残った。(Kweliのショーについてもいずれ書きます)

 

さて、とっ捕まったことで一区切りがついたということなのか、ここでいったんMayerとバックコーラスのJimiは衣装チェンジ等の為に一旦楽屋に引っ込んだ。ここからはしばらくつなぎのためにステージ上に残ったメンバーが演奏をし続けた。

演奏されていたのはScrabble(by Rene Costy)。

 

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後半。

戻ってきたMayerは帽子を脱ぎ、髪をきっちりと整えて眼鏡を装着。

おなじみの初期のころのイメージに即した見た目に戻して帰ってきたわけだ。

衣装もシルバーっぽい色のジャケットに着替えていた。

そこで「ちょっと時間も押しているから早いのいくよ、メドレーでね!」と宣言した上で、JB風にカウントアップして高速メドレーを開始。セットリストの紙にはMedleyとしか書いていなかったが、You Called Me→Hooked→The Illsをものすごいハイテンポで進めていったものだった。どれも好きな曲なのでこの扱いはちょっと悲しかったな…ともあれ初期2枚からなので眼鏡装着にはやはり原点回帰の意味を持たせていたようだ。

それを決定づけたのが、息を整えてから始まった初期からの生き残り、I Wish It Would Rain。

こちらは丁寧に、そしてまたあの雨の落ちるさまを表現する振付大会もありました。

 

が、初期曲はここまで。

やはりメインは直近の2枚ということだろうか。

Lingerie & Candle Waxはフックが頭に残って一緒に口ずさみたくなる曲。

そういえばこちらも草吸ってる描写がありますね。ステージ上でも明らかにそれと分かるジェスチャーをしていました。あと一瞬この曲の間だったかな、Mayerがdabbin'してました。どの歌詞の時だったかなー。サマソニで確かめよう。

 

「ここでメンバー紹介をするための曲をやろう」から始まったのがDo It

Tuxedoの曲をここでぶち込んできたか!もちろん今回もちょいちょいMontell JordanThis Is How We Do Itのフレーズが挿入される。ここで比較的しっかりとしたソロ演奏の時間がとられており、メンバーひとりひとりの紹介が行われた。

 

ギターを構え直したMayerがChristianの方に近づいた後、ロックファンもヒップホップファンも何百回と聞いてきたあのドラムパターンが聞こえてきた。Walk This Way。大ネタすぎる。そしてもともと声の強くないMayerの歌はそれはもうヘロヘロだ。

基本的にはAerosmith版が元になっているストレートな演奏。が、コーラス部分は"Walk this way↑" "Talk this way↓"とRun-DMC版に近く、いいところどりといったところか。そしてwalkつながりということだろうけど、間髪入れずにThe Walkへ移行した。

この曲は振付を含めてライブで聞くのが大っ好きなので、セットから外されなくてつくづく良かった。面白いことに終盤にはBreston WoodGimme Little Signを混ぜ込んでいた。確かに曲調もテンポも近いのでつなぎたくなる気持ちもちょっと分かる。しかしこの日のセットはカバーが80's趣味全開だっただけに、60年代の曲を持ってきたのは異色だろう。おそらくコンセプトがどうこうでなく、単に繋ぎやすかったからとかそういうシンプルな理由なのかもしれない。

 

本編の締めはLove Like Thatだった。

Tuxedoはあくまで仮の姿という主張なのか、国内盤のボーナストラックになっていたFux Wit Tuxバージョンに移行したりはしなかった。

 

アンコールではこの日一番の驚きが待っていた。

Tears For FearsEverybody Wants To Rule The World

これも今のギタリストChristianの貢献度が高いパフォーマンスだったと思う。

二人で並んでギターを弾く姿は非常に絵になる。

 

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終演後、サイン会もありました。ソロ名義では少なくとも僕が参加した中では初めてだったと思う。

Man About Townのアナログ盤にサインしてもらいながらSummer Sonicでまた見に行くよ、とお伝えしておきました。

 

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それにしてもここまで80's押しでくるとは。

まあ1stで60年代、2ndで70'sで3rdで80'sと音だけでなく楽曲としても10年単位でテイストが変わってきていたので、こうなるのはある程度予測は出来ていたことだけども、特に最後のTFFにはビックリ。

やはりこういう幅の出方は今のギタリストと、Mayer自身のギター習熟度の高まりとが関係しているのだろう。

ただレトロソウル的な味わいや細かなニュアンス、表情づけなどが大幅に減退してしまった感も否めない。

Tuxedoという誰にでも分かりやすい、ベタなディスコ/ブギー復権ユニットをやってしまった後の戻しがまだ完全には出来ていないのかもしれない。

 

実際のところ、ショーの合間のMCでは、本国ではTuxedoはあくまで副産物的なユニットとして捉えられていてMayer Hawthorneの方がビッグな存在なんだけど、日本では逆の様だね、と苦笑いしながら言っていた。

単純な話、今回は予約の勢いが全然違ったのだと思う。それが伝わったのかもしれない。

あるいはライブ会場における熱気の差か。

 

振り返るとStones Throwというレーベルらしい、反メジャー的な、趣味丸出しのことをやっていた彼がTuxedoをやったのは完全に遊びのはずだったと思う。おそらく2年連続でTuxedoとして来日したのも予想外だっただろう。

そういう意味では彼のやりたいことをやっている感じのステージが戻ってくるのを待つのも一興かもしれない。

 

ちょっと観念的なことを書いてしまったのでもっと直接書いておこう。

おそらく初期からのファンであれば気になったところでしょう。

 

なんでMaybe No Maybe SoもGreen Eyed Loveも、そしてなによりJust Ain't Gonna Work Outもなかったの!!!!????

 

正直ある程度は削られるだろうとは思っていたのだけど、まあごっそりいったもんだ。

ちなみに後から知ったんですが、時間をもっととれる会場だとYour Easy Lovin'〜とかもセットリストに入っているんですよ。

ここ難しいところですよね。

そんなわけでここら辺の初期の曲をサマソニで1曲でもいいからやってくれないかなという期待をしています。

50分の縮小版ですし、一見さんも多いことだろうし、わかりやすい代表曲で固めてくるだろうと予測、あるいは希望しております。

 


Kandace Springs sings Frank Ocean

2016.08.12 Friday | by garahebi

来月のBlue Note Tokyoでの公演も待ち遠しいキャンディスがなんとフランク・オーシャンの名曲のカバーを公開。

彼女はファルセットもいいんですよね。

これもライブで聞けちゃったりするのかな?先日ジェシー・ハリスの参加もアナウンスされたばかりということもあり、期待値はあのインストアライブ以降、上がる一方です!


Mayer Hawthorne @Billboard Live Tokyo (2011/11/16, 2nd)

2016.08.10 Wednesday | by garahebi
※こちらは書きかけだった過去のライブ感想文を、今頃になって仕上げてアップした蔵出し記事です。
内容も当時の気分のものですし、情報の鮮度もかなり落ちていますがご了承ください。

 

 

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2度目となったMayer Hawthorneのライブ体験。

Mayerは今年、Stones ThrowツアーのDJとして、それも震災から二、三ヶ月ほどしか経っていないうちに一度来日していたが、パフォーマーとしてバンドを率いてやってくるのは一年振り。取り巻く状況も変わった。DJとしての来日から今回の来日までの間に彼はメジャー契約を交わしてユニバーサル・ミュージックからの「新人」となっていた。そのユニバーサルからのメジャー・デビューアルバムとなった実質的なセカンドアルバム、How Do You Doではレベルアップしたソングライティングのセンスと、相変わらずのひねくれた歌詞が詰まった好盤であり、そのプロモーションも兼ねた世界ツアーの一環として再度ビルボードライブ東京のステージに登場することとなった。

前回はカジュアルで済ませていたのだけれど、見ていて楽しくて仕方がないステージングを披露する彼らの姿があまりも遠く感じたため、もし次があるのなら絶対に下の席で楽しい空気を味わってやる、と思っていた。そんなわけで、今回は思い切って一番下のサービスエリアを予約。そこまで早い整理番号では無かった割には運よく正面やや前目の席に座れた。もちろん今回はMayer他、ステージ上のメンバーの表情までよく見えた。

記録として見た目についても書いておきましょうかね。

今回のMayerは黒のスーツに例の赤のNikeのバスケットシューズといういでたちで登場。途中白いギターをちょろっと弾いたりしていたが基本的にはタンブリンがお友達、という従来どおりのスタイルだった。

メジャーデビューに伴い、アーティスト名の表記こそThe Countyは外れたけど、来日公演のメンバーとしては前回からギタリストが入れ替わったのみ。今回帯同したギタリストChristian WunderlichHow Do You Do?の中の一曲、You Called Meでギターを弾いていた人だ。彼自身がソロでも活動しており、本国ドイツや隣国のスイスなどではその名を知られている人物らしい。彼のギターは前任のTopherの様な澄んだ音ではないが、芯が一本通った、ロックバンドのギタリストのそれを思わせる味としての荒さと力強さが備わった音を出す。実際にGreen Eyed Loveなどのギターソロも堅実にこなし、余計な心配は不要であることがすぐに分かった。ただソウル色を求めて聴きに来たオーディエンスにとってはやりすぎに聞こえる可能性もあるだろうな、とは感じた。

 

さて、結論から言ってしまえば、デビュー直後でアルバム一枚しか素材がなかった前回と比べると、今回はオリジナルアルバムは2枚出た後であり、しかも客演も多くこなしていたこともあって、セットリストは非常に充実していた。(デビュー直後のアーティストが、ライブではどういった曲をレパートリーに入れてくるのかというのはそれはそれで楽しみなことではあったのだけど)

前回との一番の違いは曲と曲のつなぎまでを意識して生演奏を行っているのが伝わってきたこと。

これが非常にスリリングで、こういうDJ的なセンスはさすが元DJヘアカットさん、と改めて思わされた。

 

 

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まず1曲目のMaybe So Maybe Noでは、バンドのメンバーを先にステージに上げておいてMayerは後から「うぉううぉーおう♪」と例のイントロのところを歌いながら登場。さらに、ドラムフィルを合図に2nd verseからはweb上で発表済みだったreggae版にスイッチ。ワンコーラス(だったかな)こなしたところでまたoriginalのスタイルに戻るという芸当を披露した。DJがクロスフェーダーを操り2枚の盤に収められた音源を行き来する様を、バンド演奏で表現したようなパフォーマンスだった。

続いてこの時点で最新の客演曲、Snoop DoggGangsta Luvの、Mayer自らリミックスしたバージョン(Mayer Hawthorne G-MixとしてMore Maliceにも収録)を、自分の歌っているパートだけで構成し直したリ・エディット版で再現。The-Dreamが歌うオリジナル版より好きなので、これは非常にうれしかった。

この曲に限った話ではないのだけど、スタジオ録音版のあの独特の感触を残すコーラスは、自分の声を重ねての多重録音によるものだが、もともとアクが強い声というわけではないので、バンドの他のメンバーが代わりに声を重ねてもそこまで違和感を感じない。これは彼のライブ・パフォーマーとしての強みだろう。単体で他の音を圧倒するような声量でぎゃーぎゃー歌えればいいというわけではない。彼の声は特に曲全体の要素のうちの一つとしてバランスをとるように機能するタイプで、やはりバンド形式でのパフォーマンスの中でこそ輝く。

序盤のつかみは見事だった。その後はファーストStrange Arrangementの曲を中心にしつつも、少しずつHow Do You Doからの曲も混ぜながら進められた。上がりすぎた場の空気にちょっと落ち着きを与えるMake Her Mineを挟んでからYour Easy Lovin' Ain't Pleasin' Nothin'。この曲ではギタリストとベーシストを含めたフロントの3人でおそろいのステップを左右に踏むという振りも入っており、女性ファンはキュンキュンではないだろうか。男が見ても「かわいいじゃないかちくしょう」と思ってしまうのだから。この曲では左右の二人とのバランスを考えてか白いギターを持っていたが、本当に弾いてる瞬間があったかどうかはあまり確認できなかった。
続くHow Do You Doからのシングルのうちの1つで、どこかで見た映画のような設定のビデオが公開されたばかりのThe Walkでもバンドメンバーが揃いのステップをその場で踏みながらパフォームした。
この曲のバックコーラスのレトロな感じはかなり好きなのでついつい口ずさんでしまうのだけれど、メロが一緒なのに詞は同じものを繰り返さずに変わり続けていく、というトリッキーなコーラス部分は曲丸ごとで覚えてないと最後までsing alongし続けるのは無理ですね…次の機会までには憶える様努力してみようかな。好きな曲なので何とかなるだろう。

I Wish That It Would Rainではおなじみの振り付けが再び。これも毎度楽しい。

 

と、まあオリジナル曲も新旧もちろん良かったのだけど、今回なにより嬉しかったのは事前にスタジオでのMayer版の動画が披露されたばかりのLove In Motionと、Darryl HallのTV番組、Darryl's Houseで披露されたばかりのHall & OatesYou Make My Dreams Come Trueという、(この時点で)音源が出ていなかった2曲だった。もうどちらもイントロでそれだと分かった瞬間に鳥肌が立ち、キターッと(声は出しませんが)立ち上がってしまいましたよ。

特に前者のオリジナル版はSebastiAnの色が強すぎ、これMayer歌う意味あるのかよというぐらい声も加工されたものだったが、Mayer版はさすがにバンド演奏向けのアレンジがしてあり、ファンク色を強めたもの。まだ正規の音源が出ていなかったため、自分で動画から音声だけ抜き出してリピートするぐらい好きだった。それが今回は生で聞けたというのが本当に良かった。これを聞けただけでも観に行った甲斐があったというもの。

ライブならではのアレンジといえば、デビュー曲Just Ain’t Gonna Work Outでは、前後にSlum VillageFall In Loveのカバーを入れていた。開始前のMCでは、同じBillboard Live TokyoでMayerの公演後にElzhiの公演がスケジュールされていたことに触れ、Slum Village及びJ. Dillaへのトリビュートをやるよと宣言したのが印象的だった。あとこれは自分でこの流れを既存の音源で再現しようとミックス作った際に気が付いた事なんですが、BPMが2曲とも非常に近いんですよね。だからドラマーがリズムをキープしておいて歌とウワモノの演奏だけ変えることで非常にスムーズな移行が出来ていた。
Green Eyed Loveは前回はかなり長尺でいろんなバージョンを組み合わせた内容だったと思うが、今回は素直な進行だった。
HDYDの中ではA Long Timeはベースのきいた良曲で気に入っていた。これまた嬉しい選曲だった。まあシングルにもなっていたので予想はできていたのだけど^^;
いかにも大団円といった雰囲気を持つThe Illsで本編が終わった後、アンコールを受けての再登場では、鍵盤奏者のQuincy McCraryと2人だけでステージに戻ってきたメイヤー。確かステージ上は暗いままで二人のいるところだけ照明が入る演出だった。
そんな中、まず1曲目に披露したのはガーシュウィン作の超古典、I've Got A Crush On Youだった。これがまあ、なんというか…キツい時間だった。やはり彼は正統派すぎる歌をマイク1本だけで聞かせられるほどの喉の持ち主ではない。そんなことは前からわかっていたことだが、それを改めて痛感させられる瞬間だった。もちろん彼が好きな曲だから選んだんだろうけど、なぜこのスタイルでやっちゃったのか…などなど、頭の中を「?」が埋め尽くしていった。客観的にもう、ただのカラオケなんですわ。少し前の世代のカラオケあるあるのうちの一つ、あまりうまくない上司が歌うMy Wayに終わりまで付き合わされる社員の気分というのが分かった気がする。
この曲が終わった後は照明が普通に入り、バンドメンバーがまた全員ステージ上に戻り、One Track MindからThe Isley BrothersWork To Doで終わった。この2曲については文句なしに楽しかった。ナイス口直し。終わりよければ全てよし。

 

 

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ということで、終盤のあの1曲を除けば、選曲もアレンジも非常に素晴らしい大充実のライブだったと思う。
ステージングにおける余裕が1年前とは大違いだった。
やはり彼の頭の中はDJ仕様なのだろう。この曲とこの曲の間はこう繋ごうとかそういった設計図がまずあり、それをバンド演奏でステージ上で表現しようとしているわけだ。大枠でのジャンルこそ異なるものの、やはり彼とJose Jamesは、ライブにおける選曲と進行にはDJミックスを作るのに非常に近い感覚があるように感じられる。だからこそ彼らの場合、前の年にショーを見たとしても、そしてたとえ同じ曲が含まれていたとしても、アプローチが変わることを期待して、何度でも見たいと思ってしまうのだろう。

 

 

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-Setlist-

1. Maybe So, Maybe No
2. Gangsta Luv [G-Mix feat. Mayer Hawthorne] (Snoop Dogg)
3. Make Her Mine
4. Your Easy Lovin’ Ain’t Pleasin’ Nothin’
5. The Walk
6. Shiny & New
7. I Wish It Would Rain
8. Love In Motion (SebastiAn feat. Mayer Hawthorne)
9. No Strings
10. Dreaming
11. You Make My Dreams Come True (Hall & Oates)
12. Green Eyed Love
13. Fall In Love (Slum Village)/Just Ain’t Gonna Work Out/Fall In Love (Slum Village)
14. A Long Time
15. The Ills

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(Encore)
1. I've Got A Crush On You
2. One Track Mind
3. Work To Do (The Isley Brothers)


Kandace Springs @蔦屋書店 (2016/07/18)

2016.07.19 Tuesday | by garahebi

Kandace Springs。

またもDon Was時代のBlue Note Recordsを象徴することになるであろうアーティストが日本にやってきた。

代官山の蔦屋書店で行われた、アルバム購入者向けインストアライブでその生歌を堪能してきました。

ああ、この人は本物だ。

 

この声があれば時代の流行り廃りを横目に長く続けられるはず。

 

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今月1日に発売されたアルバムSoul Eyesの、そして9月に予定されているBlue Note Tokyoでの公演のプロモーションの一環としてのインストアライブで、お知らせには「ミニライブ」と書いてありました。

 

その表現から、まあ歌は2、3曲やってくれるだけでも嬉しいかな、と思っていました。

ところがなんと、6曲も披露してくれましたよ。ひゃー。(うち2曲がアルバム未収録)

 

整理券の番号の早い順番に、と用意された20脚ほどのイスの並びへ移動。

前から3列目。それでもすごく近い。

考えてみたら鍵盤弾くアーティストの真っ正面からパフォーマンスを見ることってあまりなかったなー。


やがて拍手に迎えられながら目の前に登場したKandaceさん。

目つきも全然きつくないし、笑顔がホントに自然でかわいらしい。

どちらかと言えばかなり柔らかい、ふんわりとした空気をまとった女性でした。

近所の気さくなお姉さん。衣装の赤もよく似合う。

まあポスターとかで見る写真はアーティストのイメージとしてキリッとしたポーズになってるだけなんでしょうね。

 

日本のラジオでもかなりかかっているという曲だからか、あるいはアルバム購入者向けイベントなのを踏まえてか、

「みなさんに馴染みのある曲から始めるわね」

と語ってから始めたのがTalk To Me。改めてアルバムでもショーでも1曲目にあると座りのいい感触の曲だと思った。派手さはないけど何かが始まる期待感を抱かせる。たぶんBlue Note Tokyoでも1曲目に来るんじゃないか、そんな気がした。

 

続けてアルバムのタイトル曲でもあるSoul Eyesへ。イントロを弾き始めた後からふと思い出したようにJohn Coltraneの演奏で知られる曲であることを付け足す。あとアルバムで一番のお気に入りなの、というようにも言ってたと思う。

 

序盤の2曲がアルバムの収録順通りに披露された後、「この曲のパフォーマンスがきっかけでPrinceと知り合うことが出来たの」と(日本盤では)最後に収録されているStay With Meへ。

さすがに元から超が付くほどの大ヒット曲であると同時に彼女にとっても思い出深いものとなった曲。

いわば大ネタ曲であり、てっきりこれは9月の本公演にとっておくのかと思っていたので、この曲をやることを示唆したMCの時点で驚いた。

そして始まったパフォーマンスは…圧巻。ピアノ一本と彼女の声だけがその空間を満たしていく。

おひねり用意しておくべきだったかな?冗談でもなんでもなく素直にそう思ってしまうぐらいに素晴らしかった。

 

さすがにこの曲のころにはかなりリラックスして歌えていたようで、終盤にはチラッとだけどスキャットも交えていた。

この曲の時点で、アルバム収録順を考えてもこちらの満足度の高さでもひとつピークが来たなと感じたので、ひょっとしたらこれでもうミニライブは終わるのかな、と思った。しかしこの曲はこの日の彼女のパフォーマンスの折り返し地点に過ぎなかった。

 

アルバムの中では2番目に気に入ってる曲なの、というMCからPlace To Hideへ。

ポップミュージックとしても良曲と言える、しっかりとした骨格を持った曲で僕も好きな曲だ。これまた嬉しい選曲。

やはりオリジナルでいい曲があることはよいアルバムの条件になる。


続いて、Norah JonesのアルバムCome Away With Meの最後に入っていた曲で好きなの、とスタンダードThe Nearness Of Youを、かなり長めのピアノ演奏のイントロからスタートさせた。このピアノだけの時間も実に良かった。

 

…よっしゃ、誰か酒持ってこーい!

 

この幸せな空間と空気に思いきり浸りたい気分になった。
しかしこのイベントが行われたのは祝日の昼であった。まだだ、まだ早い。

場所は洒落た書店であり、なるほど酒よりもコーヒーがよく似合う空間だ。

そして僕はどちらかと言えば下戸の方だ。僕は何を言っているのだ。落ち着け。

音と酒で浸るのは今度のBlue Note Tokyoでの機会までとっておこう。

ミニライブを締めたのはRoberta Flackで知られるThe First Time I Ever Saw Your Faceだった。

曲の前だったかな、「アルバムを買ってくれて、そして今日はこうして私の音楽を味わってくれてありがとう、だからもう1曲やるわね」というようなことを言ってた。

 

「感謝するのはこっちだよ!贅沢な時間をありがとう!」

↑心の叫びです。まあ、この辺はライブ後のサイン会で改めて伝えておきました。

あと「ブルーノートでのショーを見るのがかなり楽しみになったよ!」とも。

「おー!ホントに!?」

こんなの味わったら行くよそりゃ。

彼女の歌声の魅力を言葉で説明するのは難しい。

雪をも溶かす、と詩的に表現したPrinceはいちいち正しい。

それでも下手なりに自分なりになんとか書こう。

 

彼女はやはりピアノを弾く人らしいというべきか、音の強弱のピークとなる点を緩やかな曲線でつなぐようにコントロールする。

だから声量を上げきったとしてもけたたましくはならない。

そのコントロールのおかげでこちらは常に落ち着いて聞いていられる。

そしてその声自体にも聞く人を安心させる様な奥行き、深みもあるように感じられた。

キャラクターというべきか、声色そのものはかなり違うのだけど、彼女の低音にはKaren Carpenterが低い音を歌っている時の声に感じるものに近いものを感じました。あとやはりというべきかSade Aduも。

もちろんところどころにRobertaの姿も見えるのだけど。
 

さあ、幸運にも彼女の声はこうしてstripped downした環境で聞くことが出来た。
それでもまだ、バンド編成の中で聴きたい曲がいくつもある。

特にNovocaine Heartはどうしてもドラマーがいる状態で聞きたい曲だ。楽しみは尽きない。今日聞くことが出来た曲もバンドで演奏されたらどうなるだろうか、そしてあのEP収録曲はやってくれるのだろうか。
 

そんなわけで、Blue Note Tokyoでの公演は最終日を予約しました。その頃には暑さもひと段落していて欲しいものだけれど。この日はあまりにも暑すぎた…

 

 


Will Sessions, Amp Fiddlerとのタッグで新作発売へ。

2016.07.14 Thursday | by garahebi
Will SessionsMix Takesの発売以降、どういう方向に行くのかと思っていましたがこれは歓迎。あのAmp Fiddlerとの合作となるアルバムを自ら興したレコードレーベルSessions Soundsから2017年に発売する予定だそうです。
どういったものになるのかがうかがえる曲が早速発表されています。

名義はこのまんまWill Sessions & Amp Fiddlerなのかな?
とにかくこれ聴くだけでも期待値は上がる一方。
どちらのファンにとっても非常に待ち遠しい作品となりそうです。

CASIO Sound Tradition feat. Jose James - All My Life

2016.06.11 Saturday | by garahebi

Jose Jamesが参加している日本のCST Laboratory作品の、いわゆるプロモ盤というやつがtwitter上でのTower Recordsさんのキャンペーンへの応募の結果、当選しました。まあ自分で聞くだけ聞いてそのままというのもなんなので感想を。

結論から言えば、これは「よそ行きモード」といった風情かな。


見ての通り、一応パッケージにはJoseの名前と曲名がCSTよりも大きく印刷されてはいるのだけど、やはりJose主導ではこういう音にはならないだろうなと思う。
そんなわけで、iTunesに取り込んでからアーティスト名、曲名を手入力する段では、少しだけ迷った後、このポストのタイトルの様にあくまでJose客演側とした。クレジット的には作詞がJose、作曲がJoseとCST Laboratoryとはなっている。

さて、そのCST Laboratoryとかなんとも期間限定っぽいプロジェクト名で語ろうとするとまだちょっと一リスナーとしては知らないことだらけなので、どうも話がぼやけそうになる。
けれど、プロデューサーとしてクレジットされているInheritさんはDJ Chikaの名前でも活動されている方で、よく知られた例ですとCradle Orchestraの人、という説明が出来たりする。確か結構最近リリースされたMOLDという、Camp LoGeorgia Anne MuldrowBluが参加したコンピレーションの監修をしている方。なんとなく海外のアーティストとのお仕事にも慣れている人なんだろうなとおぼろげながら輪郭が見えてくるような。

音の話をすると、基本的にはやや生っぽいドラムサウンドの打ち込みに、Hirado Yusukeさんによるピアノが乗り、Jose作品といえばお馴染のTakuya Kurodaさんのトランペットがスパイスを加える。序盤だけ聞いてるとKurodaさん控えめかな?と思いそうになるのだけれど、終盤に向かって結構自由度の高い演奏でJoseの歌唱に寄り添っていく。ここはこの曲の一つの聞きどころでしょう。

肝心のJoseに関しては、敢えてそうしているのだろうけど、かなり力の抜けた、リラックスした歌唱となっている。多重録音でのバックコーラスは、抑揚控えめのためやや熱量不足だけど、これもスムーズさを重視した結果なのかな?

試聴用サンプル(こういう紹介の仕方がよろしくないようなら削除します)

僕が1聴目で連想したのはやはりKurodaさんが参加していたDJ Mitsu The BeatsPromise In LoveThe Ummah期のJ Dilla(当時はJay Dee)を彷彿とさせるビートの硬質な感触が、こちらのAll My Lifeとは大きく異なるものの、曲に漂う軽やかさ、春を感じさせる風通しの良さは相通じるものがあると思う。
ただ比較するとメロディ部分は弱めかなと思うので、たとえば今後のライブでこの曲が取り上げられることが無かったとしても、そこまではガッカリしないと思う。今のJoseのレパートリーからどれかを押しのけるほどの力強さは感じられない。(まだ感想をポストできていないけれど、今年の2月のショーでのパフォーマンスの熱さはここ2年ほどうっすらと漂っていた停滞感、閉塞感を払拭する快演とでも呼ぶべきものだったので特にそう思ってしまう)

かと言って決して出来が良くないわけでもなく、例えば来年リリース予定の新作の日本盤のボーナストラック等で入っていてもおかしくはないはず。

今のところこの盤は各種イベント等での配布以外には入手手段がないようだけど、どうもCST Laboratoryとしてはこれからも別のアーティストとのコラボレーションを予定しているようなので、そういったものがひと段落したところでまとめたものが一般向けにリリースされることもあるのかもしれない。
遅かれ早かれ世にでるものではないかと思っている。


2015年歌入りアルバム20選

2016.05.06 Friday | by garahebi
2015 (2014 November - 2015 October)

Alabama Shakes - Sound & Color
Allen Stone - Radius
Chris Cornell - Higher Truth
D'Angelo - Black Messiah
David Morin - Every Color
Emily King - The Switch
Ibeyi - IBEYI
The Internet - Ego Death
Janet - UNBREAKABLE
Jarrod Lawson - Jarrod Lawson
José James - Yesterday I Had the Blues
Lianne La Havas - Blood
Mary J. Bilge - London Sessions
Melody Gardot - Currency of Man
Slash feat. Myles Kennedy & The Conspirators - Live At Roxy 9.25.14
SOLO - SOLO Rebooted 3.0 EP (Deluxe)
Tristan - 2nd Phase
Tuxedo - TUXEDO
Vintage Trouble - 1 Hopeful Rd.

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Brightest Hope: Alessia Cara
アルバムには今ひとつ決め手が足りなかったように感じたので上記リストからは外しましたが、曲に恵まれたらすごいことになる歌い手ではないかと期待しちゃっています。
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